横顔が整わなかったり口が乾きやすかったりする、口元が膨らんだ状態の出っ歯(口ゴボ)。この記事では、なぜ前歯が出てしまうのか?自力で治す方法はあるのか?歯科医院で正しく矯正治療するには?といった疑問に答えていきます!
出っ歯(口ゴボ)とは?
「出っ歯(口ゴボ)」とは、上顎や上の前歯が前方に突出している状態を言い、歯科の専門用語では「上顎前突」(じょうがくぜんとつ)と呼びます。「上顎」は上あごの骨のことで、「前突」は前側に突き出した状態のことを指します。
先天的な原因(遺伝)で出っ歯になっている方は、全体の3割ほどと言われており、残り7割の方は、日々の習慣や日常的なクセが原因となり、出っ歯に影響を与えています。
出っ歯になる先天的原因(遺伝)
出っ歯になる遺伝的要因は主に以下の3つです。
上顎の過成長・下顎の成長不足
上顎が成長しすぎることにより出っ歯になることがあります。逆に上顎は平均的な成長でも、下顎の成長不足により上顎が相対的に前に位置し、出っ歯と判断されることもあります。こういった上下の顎のバランスは遺伝的要素が大きいです。
近年では特に遺伝的原因に加え、食の欧米化によりパンやケーキなどのやわらかい食べ物を食べる習慣が、下顎の成長不足の原因となってしまっていることがあるようです。
歯の大きさが大きい
上の前歯が他の歯よりも大きいと、出っ歯となって目立ってしまいます。また歯の大きさが顎の大きさに対して大きいゆえ綺麗に並び切れず、上の前歯が押し出されるような形で出っ歯となってしまうことも。
歯の生えてくる位置の異常
歯や顎の大きさは問題無くても、上の前歯の生えてくる位置が前方にあると出っ歯となってしまいます。
出っ歯になる後天的原因(日頃の癖・習慣)
実は、先天的原因よりも後天的原因で出っ歯になる人の方が多いです。出っ歯を引き起こしてしまう日々の習慣には以下のようなものが挙げられます。
指しゃぶり
親指をしゃぶると上の前歯に力がかかります。これにより前歯が前方へと傾いていき、出っ歯になることがあります。指しゃぶりは幼少期に見られ、成長とともに無くなっていく癖です。目安としては3歳ごろまでに指しゃぶりをやめられていれば問題ありません。しかし4歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをしていると、出っ歯になるリスクが高くなります。そのため積極的にやめさせたり、小児歯科・小児科に相談したりすることをおすすめします。
舌を前に出す癖
舌を前に出す癖があると、上の前歯に力がかかり続けます。これにより前歯が前方へと傾いていき、出っ歯になってしまいます。指しゃぶりと同様、3歳ごろまではこの癖があっても問題ありませんが、4〜5歳になっても治らないようであれば小児歯科等に相談すると良いでしょう。
口呼吸・口を半開きにしている癖
鼻呼吸をしていれば、舌の位置や頰・唇から歯に適度な力がかかることで歯並びは正しい位置に保たれます。しかし口呼吸や口を半開きにしている癖があると、この力関係が崩れ出っ歯になるリスクが高まります。
口呼吸は出っ歯になりやすいだけでなく、口の中が乾燥することで免疫力低下を引き起こしたり、むし歯や歯周病リスクを高めたりする可能性があります。
爪を噛む癖
爪は硬いため、日常的に噛む癖があると前歯の成長に影響を与えたり、歯に負担がかかったりします。これにより前歯が前方に傾き、出っ歯になる可能性があります。
歯周病・噛み合わせの悪さ
歯周病や噛み合わせが悪いことで、前歯の歯並び全体が前方へ放射状に倒れていく現象の起こることがあります。これにより出っ歯になることも。指しゃぶり等の癖は幼少期のみに見られるものですが、歯周病等により大人になってからも出っ歯になる可能性があるのです。
出っ歯のデメリット
ドライマウス(口腔乾燥症)になりやすい
出っ歯の人は、ドライマウス(口腔乾燥症)になりやすいです。なぜなら、通常であれば安静時でも口を閉じていられるのですが、前歯が出てくることで口が正常に閉じられなくなり、ポカンと開いている状態が続いてしまい、お口の中が乾燥してしまいます。
ドライマウスは、口の中を乾燥させてしまうため、細菌を洗い流す自浄作用も低下させてしまいます。虫歯や歯周病が進行してしまうだけではなく、風邪やインフルエンザにもかかりやすくなってしまいます。
顔が歪む・横顔(Eライン)が崩れる
歯並びが悪いと、食べ物を均等に噛むことが難しく、左右のバランスが崩れてしまい筋肉にかかる負担も変わるので、少しずつ顔がゆがんでしまい、見た目にも影響を与えてしまいます。
顔には表情筋と言う筋肉があり、意識的に口を閉じようとすると怒ったような表情になったり、あごにシワができやすくなります。また、横から見ると上の前歯が突き出て見えるため、横顔が気になるという方もいらっしゃいます。
噛み合わせが悪いので、上手く食べ物を咀嚼できない
出っ歯の人は、噛み合わせが悪いので食べ物を上手に噛むことが難しいです。そのため、胃腸などの消化器官にも負担がかかりやすいです。さらには噛み合わせが悪いことで歯に余計な負担がかかり、歯の寿命を早めてしまうことも。
歯を悪くしたり、失ったりすることで上手く噛むことが出来ず、全身の病気につながってしまう可能性もあります。
出っ歯を自力で矯正するリスク
歯科医院に行かずに、歯並びを自力で治す方法があったら良いな…なんて思ったりしますよね?自分で気になる歯を毎日手で押さえていくと、少しずつですが歯が動くこともあります。
しかし、現状悪化を食い止めるくらいの効果はあるかもしれませんが、短時間押さえたからといってそう簡単に歯は思うように動きません。
割り箸で矯正するのは危険
割り箸を加えるといった民間療法をよく耳にしますが、自己の判断で余計な強い力を歯に与えてしまうと、歯の根っこが吸収させてしまう場合もあり、その結果、歯の根が短くなってしまうと、歯を支えきれず抜けてしまうことがあります。
歯並びを自力で治そうと知識のないままやるのは非常に危険なので、自己判断ですべきではありません。
歯科医院で矯正をしてもらうときは、精密な検査を行い治療の計画をしっかりとたてて時期を見ながら治療していくので、安全で確実な矯正治療を受けたいのであれば、歯科医院で矯正治療を受けるのが良いです。
出っ歯の正しい矯正方法
日常のクセを改善することで予防
日常のクセが原因のものは、「指しゃぶり」や「爪を噛む」、「前歯を舌で押す」などと言った、出っ歯の原因となっている日常のクセを改善することで予防することが出来ます。
歯科医院で矯正治療を受ける
遺伝が原因のものは、顎の骨のバランスや前歯の位置など生まれつきのものなので、残念ながら生活習慣で予防・改善することは出来ません。この場合歯科医師に相談して歯科矯正をし、前歯の位置を調整することで治ります。
場合によっては外科手術をすることも
また、上下顎の骨のバランスが悪いことで出っ歯になることもありますので、その場合は外科手術が行われることがあります。手術は顎の成長が止まってから行うので、16歳以上からとなります。
手術と聞くと、なんだか怖くなってしまう方も多いですよね。遺伝による出っ歯は骨格そのものが原因で起こるもの。外科手術をすることのメリットは骨格的な原因の出っ歯を根本から改善することができることです。
反対にデメリットは、顎の骨を切るので身体的な負担が大きく、入院も必要となってきます。
歯科矯正治療を行うほとんどの方が、健康保険適応外で治療を行っていますが、「顎変形症」と診断されると、手術や手術前後の矯正治療は健康保険の適応となります。
まとめ
「自力で出っ歯を矯正しようとするのは危険」
割りばしで歯を押さえたり、強い力をかけるなどの民間療法を自己判断で実施するのは危険があるので、歯科医師に相談したうえで、矯正をするのか、口周りの筋肉のバランスを整えるようなトレーニングを正しい方法で実施するのか決めるべきです。
DPEARLでは、初回カウンセリングを実施しています。DPEARLの矯正の特徴は、マウスピース矯正で全顎矯正に対応しているという点です。見た目だけに特化せず、噛み合わせなど全身の健康も考慮して治療を進めていただくことが出来ます。
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