噛み合わせとは、上下の歯を合わせたときの歯の接触状態のことを言います。噛み合わせが悪いとものを噛みにくくなったり、歯に不自然に力がかかり痛みが出たりすることも。それだけでなく、噛み合わせが悪いことで全身に影響が出ることもあります。今回は噛み合わせと身体の関係について詳しく解説します。
そもそも、悪い噛み合わせとは?
良い噛み合わせ、悪い噛み合わせってどういう状態のこと?
「正しい噛み合わせ」と聞くと、お口の中における歯の位置をイメージすると思いますが、正しい噛み合わせと判断する基準はお口の中だけではなく外にもあります。
お口の中における「正しい噛み合わせ」
- 噛んだときに歯の位置が安定している
- 噛んだ状態で顎を無理なく動かすことができる
- 上下の前歯の真ん中のラインが合っている
- 全ての歯がしっかり噛み合っている など
お口の外における「正しい噛み合わせ」
- 顎の骨が正しい位置にある
- 頭蓋骨が正しい位置にある
- 肩や肩甲骨に歪みがない
- 骨盤に歪みがない など
上記に当てはまらず噛み合わせが正しくないと、噛む位置が安定しなかったり食べ物を上手く噛めなかったりします。またかかる力のバランスが崩れることで顔回りの関節・筋肉に痛みを生じることがあります。このように噛み合わせはお口の中の問題に留まらず、お口の外にも影響を与えるものなのです。
正しい噛み合わせのセルフチェック方法3つ
自分の噛み合わせが悪くないかどうか、セルフチェックする方法をいくつかご紹介します。
①顔の中心線は揃っているか
背筋を伸ばして立ち、「イー」の口をします。このとき
- おでこの中心
- 鼻の中心
- 上下の歯の中心
- あごの中心
これら4つが揃っていれば正しい噛み合わせであると言えます。鏡の前などでやってみましょう。
②左右のバランスは整っているか
同じく背筋を伸ばして立ち、口を開けたり閉じたりします。このとき奥歯が左右同時に噛み合うか、力のかかる感じは左右同じかチェックしてみましょう。問題なければ正しい噛み合わせであると言えます。
また割りばしなどを横向きにし左右の奥歯で同時に噛んだとき、割りばしが傾いていないかどうかでも噛み合わせのチェックができます。傾きがなく水平になっていれば左右のバランスが取れており、正しい噛み合わせであると言えます。その他口角やほうれい線の位置が左右対称でないと、噛み合わせも悪くなっている可能性があります。
③顎関節に歪みはないか
口を開けたり閉じたりしたときに、こめかみの辺りから音がしないか、口の開け閉めによる痛みがないかも噛み合わせのチェック要素です。また口を大きく開けたときに指2本分開けられなかったり、開ける途中で前歯の中心線が左右に動いたりする場合は要注意です。
噛み合わせが悪くなる原因
どうして噛み合わせは悪くなるの?
歯を抜けたまま放置していると、周りの歯が動いたり傾いてきたりして噛み合わせが悪くなります。それ以外にも、日頃の癖や生活習慣によって噛み合わせが悪くなることがあります。
片方で食べ物を噛む癖
右あるいは左で食べ物を噛む癖があると、噛んでいる側の筋肉ばかり強くなってしまい、左右の筋肉のバランスが崩れ噛み合わせが悪くなることがあります。無意識に片方ばかりで噛んでいたり、噛まない方に何かしらの原因があったりすることが多いです。例えばそちらで噛むと痛いから、なんとなく噛みづらいからなどです。
舌の癖
舌を前に出す癖や舌で歯を押す癖などがあると、少しずつではあっても継続して歯に力がかかり続け、歯並びが変化することがあります。これにより噛み合わせが悪くなる可能性があります。
舌は本来、先端が上の前歯の裏の歯ぐきにあるべきです。今この記事を読んでいる間、あなたの舌の先端は下の前歯の裏にあったり、前歯の表面をなめていたりしていませんか?その場合舌が正しい位置になく、舌の癖があると言えます。
舌の癖がある原因はさまざま。無意識に癖になっている場合は、舌のトレーニングを歯科医院で受けることで治すことができます。しかし舌の形や鼻・喉に原因がある場合は、まずその原因を除去しなければいけません。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをすると、歯に大きな負担がかかります。これにより歯がすり減り、歯並び全体のバランスが崩れることで噛み合わせが悪くなってしまいます。歯は骨のようにとても硬い素材でできていますが、歯ぎしりや食いしばりではそれがすり減ってしまうくらいの力がかかっているのです。
歯ぎしりや食いしばりは、緊張しているときやスポーツで力を入れるときなどに無意識に行われることが多いです。また睡眠中に知らぬ間に歯ぎしりをしていることも。起きている間の歯ぎしり・食いしばりは意識することでやめられますが、睡眠中は難しいですよね。その場合専用のマウスピースを付けることで歯への負担を和らげることができます。
ただ注意したいのは、このマウスピースは歯ぎしり・食いしばりを治すものではないという点です。あくまで歯への負担を減らすためのものなので、根本的に解決するには意識してやめるのが最も良い方法でしょう。
口呼吸
正しい噛み合わせは、舌やお口周りの筋肉のバランスが保たれた結果実現します。口呼吸だと口を常に開けている状態になるため、本来唇から歯にかかるべき力がかかりません。これにより出っ歯になったり上下の前歯の間に隙間ができたりして、噛み合わせが悪くなります。逆に噛み合わせが悪かったり出っ歯になっていたりすることで唇を閉じにくくなり、口呼吸になっていることもあります。
口呼吸を治すには鼻呼吸を意識したり、歯科医師や歯科衛生士のもとで口周りの筋肉を鍛えたりする方法があります。なお鼻炎などにより鼻呼吸ができず口呼吸になっている場合は、一度耳鼻科で診てもらうことをおすすめします。
指しゃぶり
お子さまの場合、指しゃぶりを続けていると噛み合わせが悪くなる可能性があります。これは親指の腹で上の前歯が押され出っ歯になったり、上下の前歯に力がかかり隙間ができてしまったりすることによります。
指しゃぶりは成長の過程で必要なもの。指しゃぶり自体は悪いことではないので、4歳以降になってもやめられないようであれば一度小児科や小児歯科へ相談してみると良いでしょう。なお不安や寂しさを感じたときに指しゃぶりをするお子さまもいるので、原因を除去してあげるのも1つの方法です。
頬杖
大人の場合頭の重さは体重の1割ほどを占めるとされ、体重50kgの場合頭の重さはおよそ5kgにもなります。頬杖をつくと片側の顎にこの重さの力がかかり続けるので、噛み合わせが悪くなる可能性があります。頬杖は意識的にやめる必要があります。
足組み
一見噛み合わせとは関係のなさそうな足組みですが、足を組んだ状態で上下の歯を噛み合わせると、顎の位置がずれているため噛み合わせが悪くなることがわかっています。足を組んだまま食事をしたり日常的に足組みをしたりしていると、噛み合わせはより悪化しやすくなります。
悪い噛み合わせがもたらす身体への影響
噛み合わせが悪いと全身に影響が出るって本当?
全身の歪みにより噛み合わせが悪くなる可能性をお伝えしましたが、実は逆も然りで、噛み合わせが悪いことで全身に影響が出ることもあります。
頭痛・肩こり・腰痛
噛み合わせが悪いことは顎の位置がずれていること。これにより頭部のずれが起こり頭痛が起こることがあります。また噛み合わせが悪いと顔回りの筋肉のバランスが崩れ、頭部と繋がっている筋肉に負担をかけ続けた結果頭痛が起こることも。
加えて噛み合わせが悪いことで身体のバランスが崩れると、人は無意識に重心をずらしバランスを保とうとします。これにより本来かからない部分に不自然な力がかかり、肩こりや腰痛に繋がります。
めまい
ものを噛むときに使う顎関節は、耳がある骨と繋がっています。そのため食べ物を噛むときの刺激は常に耳に伝わっていますが、噛み合わせが悪いと片方の耳へ強い刺激が伝わり続けることになります。これにより耳の機能が低下したりめまいが起こったりします。
顎関節症
噛み合わせが悪いことで片方の顎で噛み続けると、顔回りの筋肉だけでなく顎の関節にも左右差が出てきます。これにより片方の顎関節にばかり力や負担がかかり、関節音や痛み、口を開けられないなどといった顎関節症が起こります。
胃腸の不調
上下の歯がしっかり噛み合う状態であれば、食べ物は細かく噛み砕かれ消化されやすい状態となって胃腸へ送り込まれます。しかし噛み合わせが悪いとこれがしっかり行われず、胃腸に負担がかかります。結果的に慢性的な便秘を引き起こすこともあるようです。
不眠
噛み合わせが悪いと顔や口周りの筋肉に負担がかかることをお伝えしましたが、これにより筋肉は常に緊張している状態となり、交感神経が刺激され、不眠症状となって現れることもあります。
噛み合わせが悪い人はかなり多い
噛み合わせの悪さと全身の健康には、深い関わりのあることがわかりましたね。歯並びや歯の色など見た目は気にしていても、噛み合わせまで気にしている人は多くありません。噛み合わせを正しく治せば、ずっと悩まされていた身体の不調も改善するかもしれませんよ。
DPEARLでは、初回カウンセリングを実施しています。DPEARLの矯正の特徴は、マウスピース矯正で全顎矯正に対応しているという点です。見た目だけに特化せず、噛み合わせなど全身の健康も考慮して治療を進めていただくことが出来ます。
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