出っ歯は自力で治せる?出っ歯になる原因や民間療法の危険性、正しい治療法などを紹介!

漫画やテレビ等の影響もあってか、何となく嫌な印象の強い「出っ歯」。歯科矯正を行わず自力で治したいと思う方もいますが、果たして自力で治せるものなのでしょうか?自力で治すことによる危険性や問題は無いのでしょうか。出っ歯について詳しく説明するとともに、民間療法の危険性についても解説します。

出っ歯になる原因

出っ歯は上顎前突(じょうがくぜんとつ)とも呼ばれます。

そもそも出っ歯とは、上の前歯が極端に前に出ている状態のこと。本来であれば、下の前歯に上の前歯が軽く覆い被さっているのが正しい状態です。

出っ歯を放置すると見た目が悪いだけでなく、口呼吸になったりむし歯・歯周病リスクが上がったりさまざまなデメリットが起こり得ます。噛み合わせが悪くなることで上手く咀嚼できず、胃腸に負担がかかる可能性も。

まずは出っ歯の原因として考えられるものをいくつかご紹介します。

日頃の癖(後天的なもの)

出っ歯の原因はいくつかありますが、日頃の癖が原因となっていることが多いです。

指しゃぶり

親指をしゃぶると上の前歯に力がかかります。これにより前歯が前方へと傾いていき、出っ歯になることがあります。指しゃぶりは幼少期に見られ、成長とともに無くなっていく癖です。目安としては3歳ごろまでに指しゃぶりをやめられていれば問題ありません。しかし4歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをしていると、出っ歯になるリスクが高くなります。そのため積極的にやめさせたり、小児歯科・小児科に相談したりすることをおすすめします。

舌を前に出す癖

舌を前に出す癖があると、上の前歯に力がかかり続けます。これにより前歯が前方へと傾いていき、出っ歯になってしまいます。指しゃぶりと同様、3歳ごろまではこの癖があっても問題ありませんが、4〜5歳になっても治らないようであれば小児歯科等に相談すると良いでしょう。

口呼吸・口を半開きにしている癖

鼻呼吸をしていれば、舌の位置や頰・唇から歯に適度な力がかかることで歯並びは正しい位置に保たれます。しかし口呼吸や口を半開きにしている癖があると、この力関係が崩れ出っ歯になるリスクが高まります。

口呼吸は出っ歯になりやすいだけでなく、口の中が乾燥することで免疫力低下を引き起こしたり、むし歯や歯周病リスクを高めたりする可能性があります。

爪を噛む癖

爪は硬いため、日常的に噛む癖があると前歯の成長に影響を与えたり、歯に負担がかかったりします。これにより前歯が前方に傾き、出っ歯になる可能性があります。

歯周病・噛み合わせの悪さ

歯周病や噛み合わせが悪いことで、前歯の歯並び全体が前方へ放射状に倒れていく現象の起こることがあります。これにより出っ歯になることも。指しゃぶり等の癖は幼少期のみに見られるものですが、歯周病等により大人になってからも出っ歯になる可能性があるのです。

遺伝(先天的なもの)

出っ歯の原因には日頃の癖といった後天的なもの以外にも、遺伝といった先天的なものもあります。遺伝が原因で出っ歯になった場合、癖や生活習慣を直しても出っ歯は治りにくいです。

上顎の過成長・下顎の成長不足

上顎が成長しすぎることにより出っ歯になることがあります。逆に上顎は平均的な成長でも、下顎の成長不足により上顎が相対的に前に位置し、出っ歯と判断されることもあります。こういった上下の顎のバランスは遺伝的要素が大きいです。

歯の大きさが大きい

上の前歯が他の歯よりも大きいと、出っ歯となって目立ってしまいます。また歯の大きさが顎の大きさに対して大きいゆえ綺麗に並び切れず、上の前歯が押し出されるような形で出っ歯となってしまうことも。

歯の生えてくる位置の異常

歯や顎の大きさは問題無くても、上の前歯の生えてくる位置が前方にあると出っ歯となってしまいます。

出っ歯を自力で矯正するリスク

割り箸をくわえると出っ歯が治るって本当?

割り箸を横向きにしてくわえることで噛み合わせを治し、出っ歯を改善させるという民間療法をよく耳にしますが、これはおすすめできません。上顎の成長等現状悪化を食い止める程度であれば効果を感じられるかもしれませんが、この民間療法に医学的根拠はありません。

歯科医師のもとで歯科矯正を行なっても、歯並びを治すのには数年かかります。これは歯が硬い骨に埋まっており、歯を動かすにはそれだけ手間と時間がかかるから。歯は少し動かすだけでも痛みを伴う上、歯並びと同時に噛み合わせ等機能面も整えていくとどうしても時間と費用がかかってしまいます。経験豊富な歯科医師であっても、歯科矯正は患者さんと二人三脚で進めていくため必ず上手くいくとは言い切れないもの。ましてや、知識の無いまま自己判断で出っ歯を治そうとするのはとても危険なことなのです。

出っ歯の正しい矯正方法

自力で出っ歯を治すのはとても危険なこと。原因ごとの出っ歯の正しい治し方を解説します。

日頃の癖が原因の出っ歯

出っ歯の原因として日頃の癖が考えられる場合、まずは生活習慣を改善してみましょう。子どもの指しゃぶりや口をポカンと開けている癖等は早めに直してあげることをおすすめします。成長期の子どもは身長や体重だけでなく、顎の骨も成長過程にあります。そのため癖によりかかる力の影響を受けやすく、出っ歯になりやすいです。

出っ歯の矯正方法は、以下のようなものが挙げられます。

  • ワイヤー・ブラケット矯正
  • マウスピース矯正
  • インプラント矯正

ワイヤー・ブラケット矯正は出っ歯を治す方法として最も一般的なもの。歯に装置を固定するため目立つものの、確実に短期間で出っ歯を治すことができます。それに対してマウスピース矯正は装置が透明で付け外しが自由にできるため目立たず衛生的ですが、効果の実感にはご本人の努力が必要となります。またインプラント矯正は歯ぐきにネジを埋め込み、そこを固定源として歯を動かす方法です。見た目はワイヤー・ブラケット矯正と似ていますが、固定源があることで歯に力をかけやすく最短期間で出っ歯を治すことができます。

遺伝が原因の出っ歯

出っ歯の原因として遺伝的・先天的なものが考えられる場合は、生活習慣を改善しても出っ歯が治る可能性は低いです。そのため歯科矯正が必須になります。歯並びによっては抜歯が必要になりますが、顎に原因のある場合は外科手術が必要になることも。

外科手術を行うと骨格そのものを改善させられるため、歯並びだけでなく輪郭や顔つきにも変化が見られます。なお外科手術が必要な症例の場合、保険が適用されます。外科手術では顎の骨を削って上下の顎のバランスを整えていきますが、入院の必要となることがほとんどで、入院期間は1〜3週間が目安です。

自力で出っ歯を矯正しようとするのは危険

割り箸をくわえる等民間療法を自己判断で実施するのはとても危険なこと。出っ歯を治すには歯科矯正を行うか、民間療法を試したい場合はまず歯科医師に相談してから行うようにしましょう。

DPEARLでは初回カウンセリングを受け付けています。「自分の歯並びに自信が持てない」「出っ歯が気になる」という方は是非お気軽にいらして下さい!

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