歯科矯正にはさまざまな種類があります。中でも今回はマウスピースを使った歯科矯正とワイヤーを使った歯科矯正について、それぞれの特徴などを解説します。
マウスピースを使った歯科矯正とは
付け外しができる透明なマウスピースを使った歯科矯正方法です。マウスピースをはめたときに歯にかかる力を利用し、歯を動かしていきます。
装置自体が透明でかつ付け外しが自由にできるため、仕事や普段の生活に影響を与えにくいのが最大のメリットです。ただ矯正効果はマウスピースの装着時間によって変わってくるため、本人の頑張り次第となります。
ワイヤーを使った歯科矯正とは
最も一般的な歯科矯正方法で、矯正中装置は歯に付けたままとなります。ブラケットと呼ばれる装置を歯に付け、そこにワイヤーを通すことで力をかけ歯を動かしていきます。
さまざまな歯並びに対応でき確実に矯正効果を得られるのが最大のメリットです。ただマウスピース矯正に比べると見た目が目立ちます。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の比較
マウスピース矯正とワイヤー矯正は、いずれもメリットとデメリットがあります。今回は8つの視点からそれぞれの方法を比較・解説していきます。
比較① 見た目・外見
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|
目立たない | 目立つ(装置を選べば改善できる) |
マウスピースを使った歯科矯正は装置自体が透明な上、自由に付け外しができ目立ちません。歯科矯正中であると気付かれることはほとんどないでしょう。
それに対してワイヤーを使った歯科矯正は、装置が金属であるため見た目が目立ちます。ただ装置を白色のものにしたり、装置を歯の裏側に付ける方法を選んだりすれば目立たなくなります。これらは金属の装置を使う方法よりも高価になることが多いです。
比較② 痛みの出方
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|
痛みが出にくい | 痛みが出やすい |
マウスピースを使った歯科矯正ではマウスピースを複数枚作り、定期的に交換することで歯を動かしていきます。じっくり、少しずつ歯を動かしていくため痛みが出にくいです。なお痛みが出るときは、マウスピースにより歯が締め付けられるような痛みです。
それに対してワイヤーを使った歯科矯正は、歯に力がかかりやすく痛みが出やすいです。痛みが出るときは歯が引っ張られたり、押されたりするような痛みです。ただこれらの痛みは歯がしっかり動いており、綺麗な歯並びに近付いている証拠です。
比較③ 食事や会話への影響
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
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ほとんどなし | 慣れるまであり |
マウスピースを使った歯科矯正は、装置を自由に付け外しできるため食事や会話にほとんど影響を与えません。また、人前に立つときや、重要な予定があるときなどは外すことができます。
それに対してワイヤーを使った歯科矯正は歯に装置が固定されているため、初めのうちは違和感があるでしょう。食べ物がひっかかったり、口を閉じにくかったりするかもしれません。ただ慣れれば気にならなくなる方が多いです。
比較④ むし歯・歯周病のなりやすさ
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|
矯正前と変化なし | なりやすくなる |
マウスピースを使った歯科矯正は装置を外せるため、矯正前と同じように歯を磨くことができます。そのため、矯正治療のせいで口内環境が大きく悪化することはありません。ただこの場合でも、飲食後歯磨きをせずに装置を使用すると、汚れを歯に固定させる形になり、むし歯・歯周病リスクは上がります。
ワイヤーを使った歯科矯正は、歯に装置が固定されるため歯磨きが難しくなります。ゆえに汚れがたまりやすくなり、むし歯や歯周病になる可能性が高くなります。
比較⑤ 装置の管理
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|
手間がかかる | 手間がかからない |
マウスピースを使った歯科矯正では、装置の清掃・消毒・管理は全て自分で行わなければいけません。これらを怠ると装置に細菌が繁殖し、むし歯・歯周病リスクが上がったり口臭が起こりやすくなったりします。また付け外しが自由に行えることで、装置の破損や紛失も起こりやすくなります。基本的に外出時には、それらを防ぐために専用のケースを携帯しなければいけません。
それに対してワイヤーを使った歯科矯正は装置が歯に固定されているため、付け外しの手間や紛失の可能性はほとんどありません。ただ装置の清掃といった点では歯ブラシを上手く使いこなす必要があるため、手間がかかると感じるかもしれません。
比較⑥ 費用・値段
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|
およそ60〜140万円 | およそ70〜120万円 |
マウスピース矯正もワイヤー矯正も、費用相場に大きな差はありません。いずれもさまざまな種類があり、どれを選ぶかによって費用は変わってきます。部分的な歯科矯正など、治す部分が少なかったり治療期間が短かったりすると費用は安くなります。
比較⑦ 治療期間
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
---|---|
およそ1〜3年 | およそ1〜3年 |
いずれも治療期間はほぼ同じです。というのも、歯科矯正の治療期間はもともとの歯並びによって決まります。どちらの方法を選んでも、歯並びの悪さが重度であれば治療期間は長くなり、軽度であれば短期間で終わります。
なお歯並びを治すのにおよそ1〜3年かかりますが、歯科矯正が終わった後もリテーナーという装置を付けることがほとんどです。これは綺麗になった歯並びを維持するためのもので、一般的にはリテーナーの装着期間もおよそ1〜3年とされています。つまり歯科矯正のための装置が完全に必要なくなるまでには、およそ2〜6年かかることになります。
比較⑧ その他
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 | |
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矯正中の自己管理 | 必要 | 不要 |
同時にホワイトニング | できる | できない |
マウスピースを使った歯科矯正では、種類にもよりますがマウスピースを1日20時間以上付けなければいけないことが多いです。1日20時間とは、食事や歯磨き時以外は付けておくというイメージです。この時間が守れないと矯正効果が得られず、歯並びが治るのにかなり時間がかかってしまいます。そのため自己管理のできる方が向いている矯正方法といえます。
それに対してワイヤーを使った歯科矯正では、装置が歯に固定されているため本人が自己管理したり努力したりする必要はありません。歯科矯正を始めてしまえば、基本的に最短期間で勝手に歯並びが治っていきます。
またマウスピース矯正では歯並びを治しながらホワイトニングも同時に行えますが、ワイヤー矯正ではそれができません。歯科矯正が終わり、矯正装置が外れてからであれば可能です。
マウスピース矯正とワイヤー矯正、どちらがおすすめ?
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 | |
---|---|---|
見た目・外見 | 目立たない | 目立つ |
痛みの出方 | 痛みが出にくい | 痛みが出やすい |
食事や会話への影響 | ほとんどなし | 慣れるまであり |
むし歯・歯周病のなりやすさ | 矯正前と変化なし | なりやすくなる |
装置の管理 | 手間がかかる | 手間がかからない |
費用・値段 | およそ60〜140万円 | およそ70〜120万円 |
治療期間 | およそ1〜3年 | およそ1〜3年 |
矯正中の見た目が気になったり、仕事などへの影響が気になったりする方にはマウスピース矯正がおすすめです。それよりも確実に早く歯並びを治したい、装置の管理は面倒だという方にはワイヤー矯正がおすすめです。もともとの歯並びによって対応できるかどうか変わってくるため、一度歯科医院で相談してみると良いでしょう。
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